体操中の様子

3月14日(木)開催の「生き活き健康教室」では、普段から病院を上げて応援している熊本のプロバスケットボールチーム:熊本ヴォルターズとともに開発した介護予防体操『ヴォルさく体操』と、”ザリッツ”を用いて現在の身体評価を受けていただきました。

ヴォルさく体操とは

桜十字病院と熊本ヴォルターズがタッグを組んで開発した介護予防体操です。

現在の日本では死亡や入院の原因として、転倒が常に上位に入ってきます。
ヴォルさく体操は日常生活での転倒を防ぐために、バランス能力の向上と運動不足の解消に重点を置いた体操です。

ヴォルさく体操

参加者数過去最多の30名!

今回の「生き活き健康教室」の参加者数は過去最多の30名にのぼり、介護予防と健康に対する意識の高さがうかがえる会となりました。

生き活き健康教室開催

初めに今回の教室の説明と、ヴォルさく体操を行う際の注意などの説明がありました。

その後2つのグループに分かれて、前半と後半とで交代しながら『ヴォルさく体操』と”ザリッツ”の評価測定を行っていただきました。

『ヴォルさく体操』の様子

キラキラの動き
当院のリハビリ部スタッフの動きに合わせて体操を行います。
サポートの様子
苦手そうな動きにはスタッフがサポートする場面も見受けられました。

”ザリッツ”による評価測定の様子

ザリッツでの評価計測
ザリッツの上に足を乗せて両腕を胸の前に組んだ体勢で立ち上がります。
評価についてのアドバイス
参加者さまお一人おひとりの席を回り、評価についての説明やアドバイスを行いました。

参加者さまのお声

お客さまの声
お客さまの声
お客さまの声
お客さまの声
お客さまの声

ヴォルさく体操には比較的ハードな動きもいくつか含まれていますが、たくさんの人たちと一緒に体操をする機会をみなさんに楽しんでいただけたようでした。

今回の生き活き教室を終えて

今回の生き活き健康教室に参加したリハビリテーション部のスタッフに、話をうかがいました。

● インストラクターを担当した 北村 理学療法士

レクチャーする北村

各種イベントでヴォルさく体操のインストラクターを担当することが多いようですが、いつもどんなことを意識して行っていますか?

作業療法士_北村緋隆

せっかく参加していただいているので、怪我をしないように行っていただくことを第一に心がけています。
安全にしてもらうにはどんなところに注意して体操してもらうかを、全体を見ながら常に考えて進行しています。

また、それぞれの体操がどういった部分に効果的なのかを、声をかけながら行っています。

今回の生き活き健康教室はどうでしたか?

生き活き健康教室は私も今回が初めての参加でしたので、参加者さまの様子をうかがいながら行いました。

参加者さまの中には普段から体操を行っていたり、他院の外来で良い体操があると聞いて来てくださったりなど、期待を持って参加された方もいらっしゃいました。

しかしながら、今回は30名のご参加ということで年齢の幅が広く、人によっては難しかったり物足りなかったりと、感じる難易度にばらつきがあったようです。

ただ、総じて皆さん、参加者さま同士が交流しながらの体操を楽しんでくださっていたようです。この開催が、運動をするきっかけになってくれたら嬉しいです。

● MCを務めた リハビリテーション部 補佐 松尾 作業療法士

MCを務める松尾

ヴォルさく体操が生まれた背景を教えてください

日頃より応援いただいている地域の方々への感謝の気持ちを、熊本のみなさんが元気に過ごせるようなものでお届けしたい!という熊本ヴォルターズの想いを受け、桜十字病院と一緒にできることを考えた際に、”介護予防体操”が候補にあがりました。
当初は介護予防に重点を置いて進めていく方向でしたが、小児ケアなどの活動も行っている当院の強みを活かすことを盛り込み、全年齢を対象とした体操を開発することになりました。

体や健康状態によっては負荷が強いと感じる方もいらっしゃる可能性もありますが、こういった経緯で子どもからお年寄りまで満足できる『ヴォルさく体操』が誕生しました。

作業療法士_松尾成一郎

ヴォルさく体操の開発で大変だったことは?

自主的に体操開発への参加を希望した当院のセラピストうち、作業療法士が2名、理学療法士が4名の計6名で開発しました。

ヴォルさく体操の開発には実際のところ、多くの試行錯誤がありました。
一番難しかったのは、体操においてバスケット感、そしてヴォルターズらしさをどう表現するか、ということでした。そしてそれを、体への効果としてどのように結び付けていくかという点に、大変な苦労がありました。

ヴォルさく体操ではどのような効果を狙っていますか?

ヴォルさく体操をするもっとも重要な目的は介護予防です。

介護状態にならないためにバランスを鍛えるだけで、転倒しないバランス能力が向上します。
体の軸がしっかりするという点を、しっかりとした効果として掲げられる体操に仕上がりました。

今後、ヴォルさく体操の展開の予定は?

世代や健康状態などに合わせた改善の余地はまだまだありますが、今回の「生き活き健康教室」での開催は、今後の運用について大変参考になりました。

今はまだ手探りの部分も多いため今後の活動について具体的には決まっていませんが、地域のサロンやイベントなどで皆さまに紹介し、生活の一部として取り入れてもらえるようになったら嬉しいです。
また、子供向けのバージョンも開発し、小児福祉施設や桜十字グループの放課後デイサービスなどでも行っていきたいと考えています。

現時点では毎月院内で開催している「生き活き健康教室」で、講演などの前にヴォルさく体操を行っていく予定です。

●『ヴォルさく体操』の開発に一緒に携わったメンバー

理学療法士 齊藤
齊藤 理学療法士
理学療法士 村上
村上 理学療法士
理学療法士 歳川
歳川 理学療法士
作業療法士 水野
水野 作業療法士

実際のスタッフにて実証

「ヨイショ」の動き

実際に院内で働く職員(当時65歳)に3か月間お昼休みにヴォルさく体操を続けてもらい、『下肢筋力&バランス分析装置 ザリッツ』での評価データを比較しました。

体操を始める前
体操を始める前
体操を始めて3か月後
体操を始めて3か月後

注目すべきはバランスで、もともと安定域ではありましたが”とても安定”にまで向上しました。
総合得点についても評価の向上が確認でき、ヴォルさく体操の有効性を確認できたといえるでしょう。

実際に体操を行っていた職員本人も、次の点を実感しているようです。

体操を続けているスタッフからの声

こちらの職員は、バランスだけでなく、筋肉がついてきている実感や肩こりなども改善できたことに喜びを感じているようで、現在もお昼休みのヴォルさく体操を続けています。